弊社はブックライディングを主な業務とする数少ない編集プロダクションです。「ゴーストライティング」とも呼ばれ、おおやけにされにくい仕事ですが、出版業界を支える重要な役割を果たしています。
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ブックライティングとは?
著者の代わりに一冊の本を執筆する仕事です。もちろん、ありもしないことをでっち上げるわけではありません。取材にもとづく「口述筆記」です。考え方やノウハウ、経験などを話していただき、文章にまとめあげるわけです。
ただし本によっては、客観的な事実を優先する部分もあります。その場合はライターが、一般的な資料を調べて書くことも。とはいえ事前に著者と構成をすり合わせていますし、最終的には著者にチェックをしていただくので、「思ってもいないことを勝手に書かれた」ということはありません。
ブックライターを利用した場合、著者としてクレジットされるのはご本人のみとなります。ブックライター自身の名前は奥付や目次の最後に「編集協力」「執筆協力」または「構成」と書かれることが一般的です。中には、本のどこにも載らないケースもあるようです。
「ビジネス書の9割はブックライターを使っている」という人もいますが、少しいい過ぎかもしれません。体感では7割といったところでしょうか。処女作をご自身で書かれ、2作目を「あんなに大変な思いはもうしたくない!」といってご依頼いただく著者も多くいらっしゃいます。
基本的にお仕事の契約は出版社(出版プロデューサー)とライターの間で行います。ただし出版の意欲が強い方から、持ち込み原稿の執筆をご依頼いただくことも稀にあります。
ブックライティングの流れ
著者や編集者の思いが詰まった一冊の本。制作は全てオーダーメイドですが、弊社による一般的な流れをご紹介します。一冊の本を製作するのに短くて2か月、長くて半年、あるいは数年かかることもあります。
企画出し
テーマや概要、簡単な章立てなどの企画を練ります。出版社から弊社にキーワードをいただいて作ることもありますし、こちらで複数のテーマを用意して提出することもあります。「とにかくたくさんのテーマが欲しい」ということであれば、表計算ソフトで一覧にして送りますし、「うちの企画会議はビジュアル重視」ということであればプレゼン資料の形でお送りします。
出版社が今までに出された本や、今旬な話題などを吟味し、「売れるテーマ」を提案します。企画段階で著者の候補を数名ほど選定します。
著者との交渉
出版社の企画会議を通ったら、さっそく著者候補の方にオファーをします。条件をすり合わせのうえ、弊社で対応可能です。
キックオフミーティング
著者、出版社、弊社(場合によっては+出版プロデューサーや外部の編集者)で顔合わせを兼ね、大まかな内容について打ち合わせをします。お互いに切り口や内容、書き方などのすり合わせをよくすることが重要です。
構成案の作成
ミーティングの内容をもとに、弊社で書籍の章立てを作ります。章見出しをまとめ、場合によっては小見出しもいくつか作ります。
取材
一冊の本を作るのにだいたい4時間~10時間ぐらいの取材を行います。遅くとも取材の一週間前までには取材対象である著者に質問項目をお送りします。
執筆
取材がひととおり終わったら、弊社による執筆が始まります。基本的に一冊分を一括してお送りしますが、ご希望であれば章ごとの送付も可能です。
執筆中に著者へ追加取材をお願いすることもあります。
いただく期間の目安としては、執筆終了から1ヶ月ほどが目安ですが、状況によってはさらにかかる場合もあります。スケジュールが合えば2週間ほどで書き終わることもあります。お急ぎの際はまずご相談ください。
著者によるチェック
内容の正誤や過不足がないかなどを著者にチェックしていただき、必要があれば修正していただきます。
校正
デザイン会社または出版社にてDTP(書籍用のデータにすること) 後、原稿と突き合わせつつ、図版や文字のチェックをします。すべての修正を反映させたら印刷会社に入稿します。
これ以外にもあるさまざまなパターン
上記のどの時点でお声掛けいただいても構いません。
・企画は通っているのだが、著者がなかなか書いてくれない
・取材は全部終わったのだが、担当していたライターが体調を崩してしまって書けない
・途中まで書いているので、続きをお願いしたい
など柔軟に対応させていただきます。
出版プロデューサーの方へ
著者が出版プロデュースをお受けになる場合は、上記のキックオフミーティングから参加させていただくパターンがほとんどです。 もし事前にヒアリングなどされており、その記録がある場合はお渡しいただければその後の制作がよりスムーズになります。
ブックライターに依頼するメリット・デメリット
一般的には「著者=原稿を執筆した人」のイメージがあります。わざわざブックライティングを行うメリットは何でしょうか。こちらの記事「ブックライター(ゴーストライター)に依頼する方法は?実際にあった発注の話」もよろしければ参考にしてください。
メリット:より「読まれる文章」になる
ブックライティングにおける最大のメリットです。
ブックライターたちは、取材において読者の知りたいことを聞き、読者にとってわかりやすい言葉で表現することを得意としています。著者自身が気づけていない、コンテンツとしての魅力を引き出せることもあります。
取材をしているときに著者の方からいただいた言葉で、「ブックライティングの取材はとても勉強になる。一般の人がどのような情報を求めているのか、ライターの質問によってわかるからだ。」というものが印象に残っています。
メリット:回転が速い
著者、とりわけ出版社が「この人のビジネス書を出したい」と思うような人は、たいてい多忙です。本一冊を書く時間はなかなか確保できません。職業ライターを使えば、安定したペースで発行し続けることができます。
また最初のミーティングだけでなく、取材を重ねることで内容に深みが増していくこともメリットのひとつです。「おおまかな内容は編集者と話したけど、具体的に何から書けばいいのかわからない……」という人もライターの取材力で魅力をさらに引き出すことができます。
メリット:多様な企画がうまれる
弊社のような外部のリソースを使うことで、企画に多様性がうまれます。その中にはベストセラーとなる「金の卵」もあるでしょう。
販売促進活動も微力ながらお手伝いできればと思います。
デメリット:費用がかかる
ライティングや企画に関する正当な対価はいただきます。ただし執筆料金については著者と印税を折半する形にすることで余計な費用をかけないように調整できることもあります。
ブックライターはどうやって探す?
一般的なブックライターの探し方や依頼の流れについては、こちらの記事をご覧ください。
ブックライター(ゴーストライター)に依頼する方法は?実際にあった発注の話
料金
ブックライティングの料金体系には大きく分けて2パターンがあります。買い切りと印税です。
案件によって業務内容がかなり違うので一概には言えませんが、過去の実績から以下のような目安となります。
単行本(約170ページ)……………………………………………印税を著者と折半
持ち込み原稿の代筆(7万字程度)…………………………買い切り40万円(税抜)
単行本(専門性が高いもの、8万字程度)……………………買い切り50万円(税抜)
単行本(7万字程度)………………………印税を著者と折半+企画編集料15万円
他、企画や作業の内容によっても変動しますので、ご相談のうえで決めさせていただければ幸いです。
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